Episode

33

第33話 ギガノスの異変

月のギガノス司令部は、未だに若い兵士たちの反乱を鎮圧できずにいた。それはマイヨの進言を聞き入れ、若い兵に情けをかけたギルトールがなかなか決断しないことにも原因があった。その一方でギルトールはもうひとつの難題を抱えていた。強硬派の筆頭、ドルチェノフが地球に対してマスドライバーの全面攻撃を申し入れていたからだった。しかし地球の美しさをこよなく愛するギルトールはそれを許さず、ドルチェノフの不満を爆発寸前まで抑圧していたのである。

そして異変は起こった。ギルトールとマイヨが接見していたところへドルチェノフとその部下が割って入り、他の目撃者がいないのをいいことにギルトールを射殺してしまったのだ。そしてギルトール暗殺の罪をマイヨに着せ、一気に反乱兵の鎮圧に乗り出す。これによりギガノスの実権をかすめとったドルチェノフは新たな総帥の座に座り、マイヨは尋ね者として逃亡。ギルトールの仇を討つべく潜伏生活を余儀なくされてしまう。